CROSSTALK防衛事業に携わる社員クロストーク
入社そして今、話そう“防衛の仕事”のこと
-
乾
電子製造部 品質管理
2012年入社。
電子製造部に所属。同部にて自衛隊向けロボットの試験・維持整備を担当。 -
松葉
電子技術部 設計
2018年入社。
電子技術部に所属。同部にて自衛隊向けソフトウェアの設計・製造を担当。 -
大澤
通信製造部 設計
2021年入社。
通信製造部に所属。同部にて自衛隊向け方向検知アンテナ及び周波数変換部の設計を担当。 -
佐々木
電子第一製造部 品質管理
2016年入社。
電子第一製造部に所属。同部にて自衛隊向け警戒管制レーダー装置の維持整備を担当。
CROSSTALK
防衛にはどんな仕事がある?
防衛分野で活躍する皆さんにお集まりいただきました。
まずは自己紹介からお願いします。
乾電子製造部の乾です。主にロボットなどの納品前試験をしています。防衛分野ですと、陸上自衛隊向けの無人地上車両の試験を担当しました。
松葉電子技術部の松葉です。自衛隊向けのレーダーやEW機器のソフトウェアの設計・製造を担当しています。EWとは電子戦のことです。
大澤通信製造部の大澤です。自衛隊の航空機に搭載される方向探知アンテナと周波数変換部の設計を担当しています。
佐々木電子第一製造部の佐々木です。仕事は航空自衛隊向けの警戒管制レーダー装置の維持整備に関する品質管理で、製品修理や故障対応などのアフターサービスを担当しています。
ロボットからレーダーまで様々ですね。
もう少し具体的にお仕事の内容を教えてください。
乾自衛隊向けのロボットなどは過酷な条件下で使われることを想定されるため、厳しい試験をクリアする必要があります。その試験をしています。製品がお客様の要望に合っているか、納品前に最終確認するのが役目です。
松葉例えば、部隊に配備されている無線機を試験するためのソフトウェアですとか、レーダー装置の異常を調べるソフトウェアなどの開発を担当しました。基本的には自衛隊の方が装備品をテストするためのものが多いですが、納品前の製品を社内で試験するソフトウェアを作ることもあります。
大澤方向探知アンテナは、電波の到来方向を検知して物体や位置の特定をするもので、アンテナ本体と信号処理器で構成されています。その中で周波数変換部はSHF帯(3-30GHz)の周波数変換をする機器ですが、SHF帯を扱う機器は私の部署ではあまり経験がなく、挑戦しがいのある仕事です。
佐々木警戒管制レーダー装置は、日本の防空識別圏を監視するためのもので、侵入してくる航空機などを一番初めに発見するという役割を担っている機材です。
その故障対応やメンテナンスといったアフターサービスが主な仕事です。時には部隊に出向いて、対応にあたることもあります。
CROSSTALK
入社を決めた理由は?
入社の動機をお聞かせください。前から防衛に興味がありましたか。
乾子供の頃からロボットに凄く興味を持っていました。入社前は防衛というより、とにかくロボットの仕事がしたい、それが一番でした。
松葉就職活動中に色んな会社を調べる中で、当社の事業分野「宇宙・防衛」というワードに目が行きました。どんな仕事に就きたいといった具体的なものはなかったのですが、変わったことができそう、大きなことができそう、そんなイメージで私としてはとても惹かれました。
大澤入社を決めたのは大学の専攻と当社の業務内容がマッチしていたからです。学生の時に学んだことを活かしたいというか。三菱電機グループというネームバリュー、安心感もありましたし。
佐々木学生の頃から国際情勢や防衛産業に興味を持っていました。事業内容に防衛分野があったのも入社の理由の一つです。もともと興味があった分野の仕事に就け、今でもその興味が仕事の原動力になっています。
実際に仕事をしてみて、今思うことはありますか。
乾自衛隊の仕事をするまで、これほどロボットの利用が自衛隊で進んでいるとは知りませんでした。正直驚きでした。いわゆる皆さんがイメージする人型ロボットみたいなものとは違って、自衛隊向けは特殊なものですが、逆にその分とても面白い分野です。
松葉どんな仕事でもみんなそうだと思いますが、実際の仕事をするとなると大変なこともありますが、防衛の仕事は誇れる仕事だと思っています。
大澤学生の時の専攻はアンテナと高周波回路でした。今担当する機種もアンテナと高周波機器です。自分が学んできたことが防衛分野で活かせるとは、学生の頃は想像もしていませんでした。今の私にとって、防衛の仕事は、自分の知識や希望を活かせる場です。
佐々木前に当社の製品をニュースで見たことがあります。なかなか自分の会社の製品がニュースになる仕事って少ないですよね。そんなニュースを見ると、社会に深く関わる仕事をしているんだと、あらためて思います。
CROSSTALK
経験者として防衛の仕事は?
防衛事業は国を守るための仕事ですが、どう感じていますか。
乾防衛とか、国を守るとか言うと、堅苦しいイメージですが、職場はフランクで話しやすい環境です。ごく普通ですよ。
大澤私の職場もお堅いイメージは一切なく暖かい雰囲気ですね、頼りになる先輩も多いですし。
乾防衛事業については、先ほどもお話ししましたが入社前は意識していませんでした。ただ基地に行って自衛隊の方に接したり、実物の装備品を目の当たりにすると「自分の会社は日本の安全に貢献している」と実感が湧いてきます。
松葉私も正直、入社前には防衛事業と言われてもピンときませんでした。ただ仕事をする中で、自衛隊のこと、当社の製品のことを知るにつれ、安全保障における当社の役割の重さを自覚するようになりました。
大澤入社前は防衛分野に対し、他国との技術開発競争というか、新しいものを我先に投入するというか、常に先を争っている印象を持っていました。実際に仕事をしてみると真逆で、とても堅実な分野だと実感しています。確立した技術を使って、部品一点一点にまで徹底して確実性を求める、そういう分野です。信頼性や安全性が一番というか。
佐々木自衛隊の装備品は外国製かライセンス生産が多いというイメージでした。入社前は英語のマニュアルと格闘するのかな、そんな想像までしていました。でも実際は全く違っていて、警戒管制レーダーも国産製品が主力で製造からメンテナンスまで、国内で賄われています。実際に仕事をしてみないとわからないものですね。
防衛分野ならではと思うこと、大変なことはありますか。
乾民間で使う製品に比べ、自衛隊に納める装備品は試験が非常にシビアです。その点はとても気を使います。
乾それと大変なことではないですが、試験をする立場上、製品に触れることが一番多いわけです。ここが使いづらいとか、インターフェースをこうすれば操作しやすいとか、設計図ではわからない、モノとしてカタチになってわかることもあります。そういったことは現場にフィードバックするようしています。防衛分野に限りませんが、製品の完成度は仕様だけではないと思うので。
松葉大変なところというか、思い出に残っているのは、真冬に自衛隊の基地に出向いてソフトウェアの試験をした時のことです。暖房器具の故障で、とにかく寒い。その中で必死に作業しました。基地に行くのは普通できない経験なので、当社ならではの苦労?と言えるかもしれませんね。
佐々木レーダーも山奥とかにあるので、厳しい環境で作業した経験が私もあります。
大澤マージンを持った設計を心がけることです。どの分野の製品でもそうですが、特に防衛分野は環境条件が厳しい場合が多いため、設計がとても難しくなります。マージンを持った設計というのはそうした条件下で仕様を満足できるよう、適切に環境条件を考慮した設計という意味です。今、設計している周波数変換部もその点を十二分に加味していて、そこがこの設計の肝です。
佐々木予防整備という考え方を頭に入れて、整備するようにしています。故障を未然に防ぐために、今の段階でどこを直した方がいいのか、どの部品を交換すべきなのかとか、常に先を見るようにしています。レーダーは24時間365日、重要な役目を担う装置です。担当のレーダーが不具合などで運転を中断することがないよう細心の注意を払っています。
大澤防衛ならではというと、情報の重さはすごく感じますね。常に社内でも情報の取り扱いは注意しています。
乾社内の人間であっても、極限られた関係者以外には話せないことも多いですね。会社の信用もそうですけど、日本の安全に関わることなので。
CROSSTALK
将来を切り拓く強みは?
最後に防衛分野の展望と、当社の今後についてどうお考えですか。
松葉社会全般が今はそうですが、防衛も監視システムなどにAIを利用していこう、そういう兆しは見えていると思います。
乾AIやロボットも作業効率を上げるという意味もあると思います。無人機ということで言えば、自衛隊でも陸海空を問わずロボットの研究が進んでいます。労働人口が減る中で、安全性を担保しつつ、どうすれば作業を効率化できるか、今の社会が抱えている問題と同じですね。
大澤AIにしろロボットにしろ、技術力がものを言う分野ですよね。そういう意味では、やはり電機グループのチカラはすごいと思います。新しい製品を開発する際も連携して進めることが多いですし。技術に求められるハードルがどんどん高くなる中で、当社の強みとして、トップレベルの技術力がバックボーンとしてあるのは何より大きいですね。
佐々木強みで言うと、当社はものづくりだけでなく、メンテナンスを含めてトータルで事業を展開していることもあると思います。装備品が高度になればなるほど、メンテナンスも専門性が求められますし、継続的にお客様をサポートしていくことで、事業の安定性にもつながると思います。
乾当社は東部事業部と西部事業部、それぞれが独自に防衛事業を展開しています。共通しているのはメンテナンスまで一貫して提供していること。トータルで顧客の要望に応えることができるというのは、全社的に見ても当社の強みですね。
佐々木防衛はこの先も日本の安全に不可欠な分野で、事業の安定性という面ではある程度一定していると思います。当社にはメンテナンス事業もありますし。また、技術面でも様々な社会課題に応える実力を十分に持ち合わせています。あとは人材かな?ぜひ、若い人にも防衛分野に飛び込んできて欲しいと思っています。